いった動揺によることが多い点である。その中でも転倒が非常に多い。船を揺れないようにすることは不可能に近いので、揺れても大丈夫なようにしなければならない。それにはいつでも身体を支えるものが近くにあり、常に片手で支えきることが必要となる。特に階段や高所にあっては必ず実行しなければならない。
しかし作業上、両手を使わなければならないことが大半である。その場合には、手を離してなにか身体を支えるものにすがりつくことができるかどうかが災害発生の分かれ道となる。
したがって、海中転落などの重大事故に結びつく可能性がある場所には近づかないか、身体を支える物を用意する必要がある。そして絶えず転倒しそうになっても問題のない状態にしておく注意が肝要である。
特に高齢者は反応と動作が遅くなるのでこの点重要と思われる。
c.つまづき(身の回りの設備、用具を確認し、常に注意を払っておく)
係船作業や漁労作業では索や網が甲板上に置かれて足場が制約される。その上ステップ等の段差も多く、これらにつまづく事故はかなり多い。特に高齢者は、柔軟性とサイドステップ等の運動能力が低下する上に、足をあまり上げない動作が多くなるので、つまづきやすくなる。これを防ぐためには、まず第一につまづくものをなくするよう整頓することである。足下に置くとしても、作業で移動する経路である動線付近にはできるだけ置かないようにすることであり、人はそのような場所を移動することで事故から逃れられよう。
d.滑り(転倒やつまづき対策の他ゆとりのある体制を保ち、急な移動や停止をしない)
船上は揺れていることが多く、その上に傾斜や動揺が多く、滑りやすい。これによる災害も船員災害の重要な一つである。
滑りにくい履き物と滑り止め塗装が必要であるが、必ずしも絶対的なものはない。板の毛羽立ちが滑りを防ぐという経験談もある。したがって、船の特性に応じて滑りにくい対策が求められる。そして、どの程度滑るかを各人が自覚することも大切であろう。そして、滑ったとしても、つかまったり、ステップを踏んだ
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